2017年8月30日

初九州は熊本電鉄 その3

 
▲熊本電鉄モハ302 御代志 1980-9

最近まで「青ガエル」最後の棲息地だった熊本電鉄ですが、現在はヘンテコな改造を受けた旧都営車や南海車が闊歩する路線になってしまい、腕木信号機が林立していた北熊本の風情も遠くなりにけりです。

こちらは阿蘇観光の道すがら見てきた最近の様子。
唯一の旧型車となったモハ71、若干くたびれた印象はありますが入換車として残っていました。窓のカーテンは最近付けたのでしょうか。引退した青ガエルも稼働状態で保管中でした。
広い構内はあまり変わっていない気もしますが、全体の雰囲気が何か違います。
待合室スペースは「くまでんショップ」になっていました。
▲いずれも北熊本 2015-10

さて、1980年の熊本駅に戻ります。
ED72や「おおよど」の後は熊本市電へ。一時は全線廃止が俎上に上がりましたが、この時はちょうど当面継続との結論がなされた頃でした。
▲熊本駅前-祇園橋 1980-9

熊本駅前にはまだ古い商店が立ち並んでいました。新幹線開通とともに駅も街並みも原型を留めぬほど変容してしまい、場所の特定ができません。
▲熊本駅前 1980-9
 
当時の主役、1090形。現在も全7両が健在です。
営業車初のVVVFインバータ搭載となった8200形の登場はこの2年後でした。
▲いずれも熊本駅前-祇園橋 1980-9
 
こちらは後輩格の1200形。
8500形へ転用のため一部が引退しますが、現在も10両のうち6両が在籍しています。
▲いずれも熊本駅前-祇園橋 1980-9

▲祇園橋-呉服町 1980-9
 

この時は会えなかった最古参の1060形、最後の1両が往年の塗色に戻されて生き残りました。
▲上熊本車庫 2015-10
 
これにて熊本訪問は終了、夜行急行「かいもん」で州内の夜を過ごします。
こちらは乗車前のひと時に捕えた博多駅風景。待機する長距離夜行列車、長途の旅を終えて休息につく昼行特急など、華やいだ雰囲気は上野駅のそれに似ていました。
▲いずれも博多 1980-9

2017年8月26日

初九州は熊本電鉄 その2

▲熊本電鉄モハ71 1980-9

さて御代志で降りたはいいものの、辺りに何もない雑然とした場所です。
この時は部分廃止も、ましてここが終点になるとは知る由もありませんでした。
車窓から見えた森のような景色も、ファインダー越しだと大したことはありませんが取り敢えず構えます。
▲御代志-大池 1980-9

現在と違い、石積みのホームがポツンとあるだけで待合所も上屋もありませんでした。左端に無人化久しい駅舎が見えますが機能しておらず、物置のようです。

御代志を発車する旧小田急のモハ302。
▲いずれも御代志 1980-9

さて次は北熊本の車庫を覗きました。
ここの名物はモハ71、国鉄可部線からやってきた旧広浜鉄道・モハ90形です。この頃はまだ車籍はありましたが殆ど構内入換用になっていました。


オリジナルのモハ100形に加え旧東急の200形、旧小田急の300形などバラエティ豊かですが、各車ごとに微妙に異なるこの色加減、やはり気になります。
コ1、こんな貨車(客車?)もいました。
当線の貨車は風変わりな形式を名乗っており、有蓋車「ヤ」・無蓋車「ム」・長物車「ナ」といった按配です。なので、こいつも「工作車」の略・・・と勝手に思っていましたが、客車時代の「コハ」の名残ではとの説もあり、謎が多い車。1923年ヤ1として竣工するも、その後客車→有蓋車→工作車という複雑な経歴を持ちます。
▲いずれも北熊本 1980-9

さてまだ明るいですが、これだけ撮ると国鉄駅へ引き返します。
目的はこちら、ED72の荷物列車。既に引退が囁かれており、運用も少なかったので押さえておきたいカマでした。
時を同じくしてこちら、キハ82形「おおよど」もやって来ました。
「おおよど」は博多から肥薩線経由宮崎までのロングランで1日1往復。7両編成ではちょっと物足りませんが特急の名にふさわしい列車です。
少し待って583系「有明」。先頭車は非貫通に改造されていました。
▲いずれも熊本 1980-9
 
とここで枚数が結構いってしまいました。
・・・しつこく次回に続きます。
▲東郷-福間 1980-9

2017年8月22日

初九州は熊本電鉄 その1

▲熊本電鉄モハ101 菊池 1980-9

1980年夏休みのこと、アルバイトの稼ぎを手に初めての九州へ。
・・・というより名古屋以西は未知の領域、途中で散々寄り道しながら九州の地を踏んだのは「大垣夜行」で出発してから10日目でした。
▲ED731007 博多 1980-9

例によって「あれもこれも」見たくなり、先ずは鹿児島本線。
風景は平凡ながら本数が稼げる場所で構えますが、メインは何といっても九州でしか会えない交流電機たちでした。
▲いずれも東郷-福間 1980-9

博多駅で各方面へ向かう列車をスナップしてから熊本へ向かいます。
▲いずれも博多 1980-9

さて、ここではもちろん熊本電鉄をルートに入れます。
先ずは熊本駅前からバスで一路菊池を目指しました。
側線では旧静岡鉄道100形の500形が昼寝中です。
▲いずれも菊池 1980-9

菊池駅前は特に何ということもなく、やって来たモハ101に乗って折り返しました。
途中の泗水(しすい)で旧小田急のモハ302と交換です。写っているこの3両、どれも赤の色合いが違うのがお分かりになるでしょうか。
▲いずれも泗水 1980-9 

かつては濃い茶系とクリームのツートン、蒲原鉄道に似た渋い塗り分けで統一されていましたが、この頃は各車ごとに微妙に違っておりどれがオリジナルカラーなのか分かりません。旧静鉄の500形も独自色でした。

さて、予備知識が全くなかったので撮影地の見当がつかないまま御代志までやって来ました。駅付近にこんもりした森のようなものが見え、思わず降りてしまいましたが・・・
・・・次回に続きます。
▲御代志-大池 1980-9